キャリアアップなどを理由に、別の職場に転職を考える看護師は少なくありません。そんな看護師の職場として人気が高いものの一つに治験の仕事があります。治験とは、製薬会社が開発した新薬の臨床試験のことを言います。看護師として治験に携わるメリットは、まず休日の取りやすさでしょう。勤務先によって多少の違いはありますが、治験の臨床実験は特別な事情がない限り、原則平日に行われます。そのため、一般の企業に勤める会社員と同じように、カレンダー通りの休日を取ることが可能です。育児と仕事の両立を図る人にとって、子どもの学校行事への参加や家族サービスがしやすいという点は大きな魅力と言えつでしょう。

また、治験における看護師の仕事は、計画書をはじめとした書類の作成やパソコンによるデータ入力など、デスクワークが中心です。時折臨床実験のために医療機関に出向することはありますが、基本は事務作業になるので、肉体的負担が少なくて済みます。したがって、立ちっぱなしの仕事が辛かったり、入院患者の身体介助が厳しく感じるようになった人でも安心して働くことができます。さらに、病棟勤務のように、日勤と夜勤のシフトに入るのではなく、治験は原則日勤だけの勤務になるため、生活のリズムを安定させて働ける点も魅力です。体調管理がしやすく、家族と一緒の時間も確保しやすいでしょう。

夜勤が当たり前になっている看護師の中には、夜勤手当がないと収入減になってしまうのではないかと不安を抱く人もいるかもしれませんが、治験の看護師は基本給が高めに設定されているため、大幅な収入減になることがないのも、注目のポイントです。